エッセンシャル・サーチエンジン

Googleの2006年間ランキング

Googleの年間ランキングが話題。何でしょうね、この「総合ランキング」ってのは。

Google、年間検索ランキング発表 - 芸能/スポーツ賑わうも、1位は意外に…, MYCOMジャーナル, 2006/12/08
Googleから、今年の日本語の検索ランキングが発表された。これは2006年1月1日から12月15日までの間に、Googleの日本語検索サイト「http://www.google.co.jp/」から検索されたキーワードを集計したもの。総合ランキングでは「地図」「翻訳」「辞書」など実用系が強い傾向は変わらないが、固有名詞での検索が増加している傾向があるという。

2006年検索ランキングの検証, 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ, 2006/12/21
Google日本支社の2006年ランキングが発表されて、主要各社の年間検索ランキングが出揃った。 （中略）年間検索ランキングなるものは、どうも人の手によるランキング操作が行なわれているのではないかと思うのだけど。...

Googleも既に10,000人も社員がいる普通の会社ってことですね。総合7位の"au"は不自然すぎて可笑しいです。

-inoue

DaumがGoogle AdSenseを採用

韓国のNo.2検索エンジンであるDaumが検索連動型広告をOvetureからGoogleに切り替えた。

ダウムとグーグル、検索広告提携へ, 中央日報, 2006/12/13
今回の提携で、これまで検索サービス大手のオーバーチュア・コリアがほぼ独占してきた５０００億ウォン（約６００億円）台にのぼる韓国のリスティング広告市場で激しい競争が繰り広げられる見通しとなった。来年からダウムの検索広告は、グーグルのＣＰＣ広告システム「アドセンス」を通じて運用される。

韓国はYahoo!, Googleのマーケットシェアが非常に少なく、Naver, Daumが1位、2位である。検索連動型広告はOverture Koreaが圧倒的に強くNaver, Daumを含めほぼ全てのサーチ・パートナーと提携していたが、今回は2番手のDaumを失うことになる。

Googleが食い込むことによって他のパートナーへも何らかの影響があるだろう。Googleは韓国では自社トラフィックが非常に少ないため他社獲得に今後も積極的に動いていくと思う。

-inoue

Yahoo!検索で「キーワード入力補助」開始

Yahoo! JAPANで3月15日に「キーワード入力補助(BETA)」を開始した。

http://assist.search.yahoo.co.jp/

担当者からの説明もYahoo!検索 スタッフブログにあります。

是非、使って見て下さい。

# 今週はYahoo!検索で色々ローンチしました。

-toshi

Amazonがストレージ・サービスのS3を開始

Amazonが"Simple Storage Service"なるものを始めた。

Amazon S3 - Simple Storage Service

S3は有料のサービスになっている。

Pricing

Pay only for what you use. There is no minimum fee, and no start-up cost.
$0.15 per GB-Month of storage used.
$0.20 per GB of data transferred.
(Amazon S3 is sold by Amazon Digital Services, Inc.)

GoogleもAmazonもストレージをやりたいようだが、両社のアプローチが違いが面白い。Amazonはいきなり有料。これまでにも有料のストレージサービスはあったが、AmazonらしくWebサービスと結び付けている。どんな使い方がされるのか結構、楽しみです。

Backups, On-line Storage, And Stupidity, WebProNews, 2006/03/14

「Gmailに大事なメール入れてたら、あるときアカウントが消されてたー」って話が書いてありますが、Jeremyが言っているように

My suggestion is that he build a system that replicates Gmail data into Amazon's S3 and charges a nominal fee for the service. :-)

GmailからS3にデータをリプリケートするシステムを作ったら、商売になるかも知れませんね。

-toshi

Yahoo!ブログ検索（ベータ版）を公開

Yahoo! JAPANが3月13日にブログ検索（ベータ版）を開始しました。

Yahoo!ブログ検索（ベータ版）
「Yahoo!ブログ検索」を公開しました, Yahoo!検索　スタッフブログ, 2006/03/13

特徴としては、

• 記事のクロール＆インデクスが早いものだと約1分
• 検索結果右にある「検索ワードの注目度」でトレンドを可視化
• 「ポッドキャスティング対応の記事のみ」といった便利な絞込み

などでしょうか。

担当者の七里は、「Yahoo!ブログ検索の評判を、Yahoo!ブログ検索で調べてるのが変！」と言って喜んでいます。

ブログサーチでは通常のウェブサーチとは違って、更新日時という属性が重要視されます。今のところデフォルトは「更新日時順」です。新しいものを探している人が多いのではないかということですね。

またクロール対象がブログに限定されている代わりに、クロール頻度が高くなります。日本のブログだけでもすぐに何千万～何億というインデクスになってしまいます。これって私がサーチをやり始めた頃の全世界のページ数に匹敵するんじゃないかなと思います。

今のところ、ブログほど広くあまねく新しいURLを生成する仕組みはないでしょう。

まだまだ後発のサービスですので、ガンガン改善していいものにします。

# お疲れ様でした！ > プロジェクトのみんな

-toshi

Yahoo! JAPANのSNS、"Yahoo! 360°"がスタート

Yahoo! JAPANが2月28日に"Yahoo! 360° BETA"を開始しました。（BETA版の説明)

Yahoo! では昨年から"Social Media"というキーワードを掲げています。

Yahoo!の最大の資産は登録ユーザーです。人々をつなぎ、人々の知恵を集め、人々が他の人々の知恵の恩恵を受けられるようにと考えています。

「人」というキーワードがとても重要になっています。この辺りは整理して載せたいと思います。まずは360°を楽しんで下さい。ちなみに"360°"は"スリーシックスティー"と呼んでます。

-toshi

Yahoo! JAPANがカテゴリのAPIを公開

本日、2月28日にYahoo! JAPANがカテゴリのAPIを公開しました。

詳細は、Yahoo! デベロッパーネットワークを見てください。

カテゴリはYahoo! JAPANの重要な資産の一つと言えるでしょう。どんなことが起こるのか楽しみです。

-toshi

livedoor knowledge と Yahoo! Answers

ライブドアが"livedoor knowledge"というナレッジサーチのサービスを開始しました。

ライブドア、Q＆A形式のコミュニティサービス「livedoor knowledge」, INTERNET Watch, 2006/02/08

一見してすぐに"Yahoo! Answers"に似ていることが分かります。 Broad Band Watch 編集部ブログにはその他の似ている例も整理されて出ています。

そのデザインは誰のもの？, Broad Band Watch 編集部ブログ, 2006/02/08

ネットの普及は、HTTPというシンプルなプロトコルでHTMLをクライアントに送る、という理由が大きかったと思います。 クライアント側では自由にHTMLの中身を見ることができるので、かっこいいページがあるとそれを真似するというのはほとんどの方がやっていることではないでしょうか。

しかし自分なりの味付けをするからこそ、面白いのであって、自分で考えて工夫して試すからこそ、成功や失敗といった結果から多くのことを学べるんだと思います。ただのコピーからは学べません。

最終的に同じユーザーインターフェースになったとしても、それが考え詰めた末の答えであればよいと思います。おそらく、それが理にかなっているのでしょう。

そういう目で見ると"livedoor knowledge"は悲しいです。

-toshi

ナレッジサーチは参加者の数で決まる

ナレッジサーチの網羅性は何によって決まるのでしょうか。

ナレッジサーチは質問者と回答者が参加することによって成り立っています。つまりそこに蓄積される知識の「網羅性」は質問者、回答者の数や質に依存します。

言い換えると、最初に入れ物を作って人を集めることに成功したサービスが知識の数ではアドバンテージを得ることになります。

入れ物だけ用意しておけば、コンテンツはユーザーが勝手に作ってくれるわけです。非常にネットらしいサービスと言えます。

最初にナレッジサーチを提供したNaverがその後圧倒的に他社を引き離したのは、この first mover's advantage があったからです。

ウェブサーチであれば、クローラーが集めてきたページが全て検索対象となり得ます。理論的には、後発であっても「網羅性」で追いつくことは可能です。

ところが、ナレッジサーチではNaverのコンテンツはNaverに行かないと見られません。Naverはもちろんこのアドバンテージを理解しているので、ウェブサーチにはクロールされないようにロボット排除をしています。

http://kin.naver.com/robots.txt

Yahoo!やGoogleで"site:kin.naver.com"と検索すると、かなり少ない件数しか結果が出ないことも確認できます。

-toshi

Googleより圧倒的に強いNaverの秘密

韓国ではナレッジサーチが主流だという話をしましたが、この記事を読むとNaverの強さが分かります。

NHN: The Little Search Engine That Could, Business Week, JANUARY 30, 2006

ナレッジサーチの重要性を語ると、

• 検索の目的（の一つ）は知りたい情報にすばやくたどり着くこと
• でもウェブ上に正解があるか分からない
• その情報は誰かの頭の中にあるだけでまだウェブに落ちてないかも知れない
• だから人々の知恵を検索できるようにしたい！

という具合になります。

これと同じようなことがこの記事の中でも書かれています。

"Google has a superb search engine," says Choi Jae Hyeon, NHN's search chief. "We have, however, built up knowhow and a database by extracting knowledge from users' brains."

"database by extracting knowledge from users' brains"、「ユーザーの脳みそから抽出した知識のデータベース」、これを作ることがナレッジサーチの目的です。

The database now has some 37 million questions and answers that can get returned with search results.

このような知識（質問と答え）が3,700万件はあるということ。

Googleのミッションである"world's information"の中に「人々の脳みそにしかない知恵」が入っているかどうか分かりませんが、これまでの動きを見ていると、「知恵」の部分は優先順位の後ろの方にあると思います。ただ、韓国、台湾、日本などアジア圏でのマーケットシェアの低さから、Naverについての研究もかなりしているでしょう。

Yahoo! JAPANでは「知恵袋」を提供していますが、サービスとしてはまだまだ改良の余地があります。ナレッジサーチのような「ウェブサーチ」ではないサーチがマーケットシェアを大きく変える可能性があることは心にとめておかないといけません。

-toshi