6. 「早い技術」と「深い技術」
ITそのものはどんどんコモディティー化していてあらゆるものがパーツとして揃ってきています。サーバーにしても専用サーバー、VPS、クラウドなど安価な選択肢が色々とありますし、ソフトウェアにしても様々なライブラリがオープンソースで提供されています。
昔、梅田望夫さんが「早い技術」と「深い技術」という話をしていましたが、私が興味を持っているのはまさに「深い技術」です。様々なテクノロジーがオープンソースで利用出来る現在では、それらを組み合わせて使うだけではオリジナルのプロダクトは出来ません。誰かにすぐに真似をされてしまいます。
どこかに自分たち独自の技術が必要です。ユニナレの場合には「ランキングアルゴリズム」ですが、ここを考えるのが一番面白いです。どうすればお客様にとって良い検索結果になるのか?どうすれば検索結果を通じてECサイトの売上が上がるのか?そういうことを考えるには、ものごとの本質を理解する力が必要です。数学的な理解力や洞察力も必要です。
私はユニナレをそういう「本質を極める」人たちが働く場にしたいと思っています。
一方で、コモディティー化しているITテクノロジーも駆使する必要があります。我々は検索サービスを提供していますが、検索エンジンのプラットフォームはオープンソースのSolrを利用しています。検索エンジンのプラットフォームは既に存在しているため、それ自身を開発するのは時間の無駄です。単に利用すれば良いと思います。またこれから時代と共にプラットフォームは進化して行くでしょうから、その時代で最先端のプラットフォームを利用して行けば良いと思います。
ただし、自分たちのやりたいことが全てSolrで出来るかと言うとそうではありません。やはり何らかの制約があります。その場合には中身に手を加えます。ここで「表面的にプラットフォームを利用している人」と「中身がよく分かって利用している人」の差が出て来ます。私たちの場合には、検索プラットフォームを作ろうと思えば作れますが、出来たとしてもそれ自体で価値を生むのは難しいからオープンソースを利用しているのです。ですから、何らかの制約があれば中身に手を加えて自分たちのやりたいことが出来るように開発するのです。
繰り返しますが現代では全てをスクラッチから開発するのは時間の無駄です。既存のテクノロジーとオリジナルのテクノロジーの融合が新しいサービスを生み出すと思っています。これが2重にも3重にも折り重なると、はたから見て「一体どうやって実現しているのだろう?」という驚きのサービスになります。
シンプルでも本質的に重要なアイデアというものが存在します。私たちはそのようなアイデアを組み合わせてECサイト向けの検索を開発しています。
本質的なことを大切にすることと、サイエンスを軸にサービスを作ることは今後も変わらない価値観として貫きたいと思います。
7. 「幸せ」な組織作りをする
なぜ会社を経営しているかを突き詰めて考えて行くと、お客様、パートナー、社員、自分といったあらゆる関係者が「幸せ」になるためだと思っています。会社を動かして行く上で「これは幸せじゃないなぁ」と感じることがあったらそれらは排除していきます。そうすると自分たちのやりたいことにフォーカス出来ます。
大企業時代に感じた「意味のない間接業務」も排除出来ます。「目標評価制度」も要りません。通勤もなくしました。「予算」も「計画」もありません。「残業」や「有給」と言った概念もありません。
自分たちに必要なことだけを突き詰めてやっていく、そういう会社でありたいと思っています。
8. 社員に還元する
どんな会社でも利益を出すことは非常に重要だと思います。利益が出ないと会社が存続出来ませんから。そして利益が出たら、その一部を常に社員に還元しようと思っています。
上場企業ではどんなに利益が出てもそれらが社員に還元されることはありません。上場企業には多くの株主がおり、「利益は株主のもの」であると考えられています。株主にとっては社員への報酬は「コスト」です。「コスト」を上げるには株主からかなりの抵抗があるということは容易に想像出来ると思います。これが株式会社の基本的な考え方です。
ですが、私たちのような小さな会社では、利益をどう使おうが誰にも何も言われません。大企業では取り替えがきくように社員を配置しますが、私たちには取り替えがきく社員はいません。ですのでその分しっかりと社員に還元していくのは当然だと思います。目標は平均年収2,000万円です。まだそこまでとても行きませんが、ゆくゆくはそういう会社になりたいと思います。
9. 他社と比較しない
いまのところユニナレにはないものがたくさんあります。サービスも完全ではありません。やりたくても出来ていなことがたくさんあります。ビジネスモデルも「サービスを提供して月額利用料を頂く」という一つのモデルしかありません。
今ユニナレに就職するということは、決められた業務や与えられた業務だけをこなすということではありません。実現出来ていなことをどうやったら実現出来るのかを一緒に考える立場になります。決められた業務をうまくこなせる人よりも、何でも実践してみる行動力のある人を求めています。
そういう意味では、一般の転職のように「条件を比較して決める」という考え方の人は向かないと思います。
社員ではなくてパートナーからスタートするのでも良いです。既に会社を辞めてしまって「プラプラしている」人は理想的です。そういう人には「ちょっと手伝ってよ」と言う感じで実際に少し開発をしてもらって、お互いにフィーリングが合えばそのまま就職してもらうというのが私の考える理想の採用方法です。
おわりに
3回に渡ってユニナレの方向性や考え方を書きましたがいかがでしたか?私たちは検索を作る会社ですので、ベースのところで「検索を良くしたい」という気持ちが必要だと思います。「良い検索を提供する」「検索をビジネスにする」という部分で共感出来ることが重要です。また、長い時間一緒に働くので、人として信頼関係が築けるかどうかもとっても重要です。
これを読んでいるどなたかと将来一緒に働ける日を楽しみにしています。
(おわり)
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