ユニバーサルナレッジは創業が2011年2月1日ですので、今年の2月1日で設立3周年を迎えます。ここまでやってこられたのはお客様、協力会社様のおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
ユニナレを設立した当初は海のものとも山のものもともつかず、自分たちがどうなるか自分たち自身も分かりませんでした。ただ「これまで自分がやりたいと感じていたことを素直に表現出来る会社を作ろう」とだけ考えていました。何をどうするか具体的には決めていなくて、その時々で良しと判断した結果ここまでつながって来ています。
私は検索エンジンが作りたくて1998年から検索エンジンの開発に携わっていますが、それは主にウェブ検索の開発でした。ユニナレはECサイト専用の検索エンジンを提供する会社ですが、ECサイト向けにサービスを提供して行こうというコンセプト自身も自分で考えたということではありません。そんな会社の柱となる概念もお客様から直接教えてもらったのです。
ヨドバシカメラ様はユニナレの最初のお客様ですが、それまでずっと検索エンジンの開発に困っておられました。個人的に付き合いがあるヨドバシカメラ様から「検索エンジンの開発を手伝ってもらえないか」と声をかけられたのが、創業の大きなきっかけとなったと言っても過言ではありません。
それまでウェブ検索にしか興味がなかったので、ECサイトにも検索エンジンのニーズがあることに気付きませんでした。「なるほど。ECサイトにも検索エンジンのニーズがかなりあるな。しかも現在の検索エンジンはどこも非常にプリミティブだぞ。」と思ったのを良く覚えています。
ユニナレの提供する検索エンジンには以下の三つの特徴があります。
1. データドリブン
とにかくデータを重視します。これには二つの側面があります。
まず一つ目。ウェブ検索ではユーザーの意図は「クエリー」と「クリック」だけですが、ECサイトでは「購買」という非常に重要なデータを利用することが出来ます。「購買データを徹底活用する」のが良い検索エンジンを作る上で欠かせません。ところが市場にはそのような検索エンジンがありませんでした。ユニナレでは創業当初から購買データを活用したアルゴリズムをオリジナルで開発しています。
二つ目はバケットテストです。アルゴリズムが本当に良いかどうかをバケットテストをして実証するわけです。実際のユーザーに別のアルゴリズムの検索結果を見せて、購買行動がどのように変わるかを見ます。その結果よい方のアルゴリズムを選択して行く訳です。
2. 運用による改善
良い検索エンジンを作るにはテクノロジーだけではダメです。「運用」こそが改善の鍵であると言えます。検索エンジンの利用状況を日々データとして見る必要があります。例えば、ゼロマッチ率やCTRなどです。これらの数値がよくないクエリーに対して、同義語辞書や形態素解析辞書をメインテナンスしていかないといけません。これは改善に欠かせない業務であるのに、重要性を理解してリソースを割り当てる会社はほとんどありません。
また、商品が登録されているカテゴリの名称の付け方、商品名や説明文、スペック情報などの登録を変更していかないといけません。また究極的には取扱商品を増やして行くというビジネス判断まで必要になります。検索エンジンとはあくまでも商売をする上で必要な一機能ですから、そこから分かった事実を商売に活かしていきたい訳です。
3. カスタマイズ
大規模なECサイトではどこでも特殊な機能の開発を求められます。それを画一的なパッケージで対応しようとすると無理が起こります。ユニナレではお客様のニーズに合わせてカスタマイズを行います。根本的な検索エンジンのランキング・アルゴリズムは共通ですが、機能的なカスタマイズニーズは徹底的にサポートします。カスタマイズの中にこそビジネスの強みがあることが多いのです。特に、EC以外に店舗を持っていたり、カタログ通販をしていたりすると、その強みゆえに特殊な仕様を要求されることがあります。いわゆるシステムインテグレーションの領域ですが、ここを迅速に対応することによってお客様との信頼関係が出来上がります。ユニナレではすぐにデモを提供することで、お客様に納得行くまで確認してもらっています。
以上がユニナレで提供しているサービスの特徴です。偶然ですが、ECサイトが成長するタイミング、ビッグデータが提唱されるタイミングとぴったり合っているのもユニナレがここまでやってこられた理由の一つです。
一方、サービス以外にそもそもどのような会社を作りたいのかという創業者としての「表現の場」が会社だと思っています。
私が当初から考えていたのは以下のようなことです。
- お金、場所、時間に縛られずに自由に働く
- 信頼出来る仲間・パートナーと働く
- 自分の大好きなことを追求する
- 自分の感性を信じる
これらを叶えるためにユニナレという会社を作ったわけです。どんなサービスを提供するかは後付けで時代と共に変わるでしょうが、これらの基本的な考え方は私が会社を続けていく限り変わらないものだと思います。
またこれらを実現するためには、「会社の規模を追わない」「会社のオーナーシップを持つ」ことが必要だと感じています。
しかしながら、ユニナレの製品が良くなってお客様が増えていくにつれて、業務量・サーバー数ともに増大してますので今後どのように対応していくかが今年のテーマだと思っています。
今後もお客様に最大の価値を提供しつつ、自分たちの表現の場であるユニナレという会社を社員と共にさらに発展させて行きたいと思います。
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