会社について面白い文章を読みました。神田昌典氏の著書です。
2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)
商品の「ライフサイクル」を計るのに用いられる「導入期」「成長期」「成熟期」という概念を「会社」にはてはめると、会社が寿命を終えるのは「2024年頃」だと言っています。
【企業の寿命】
1970年初 約50年
1983年 30年
1997年 12.5年
2008年 10.5年
これから考えると、会社寿命の短縮化が加速しており、2024年には96.9%という飽和水準になるそうです。ですので「会社」の役割はいったん終わると、神田氏は予想しています。
「会社」には限界があるという予想は私の感覚とも非常に一致しています。昨日もブログに書いた通り今後は普通の人が「会社」に勤めるのではなくて「起業」するのではないかと思います。
会社の問題点
神田氏によると会社が直面している問題は3つ。
1. 会社では社員が育たない
現在、事業の寿命は6年しかない。人を雇えるのは「成長期」だが、成長期は2年しかない。2年では人は育たない。結局、ブレーン+オペレーターにせざるを得ず、ほとんど外注になる。人を育てる必要がない仕組みを最初から作る。
2. 会社では無から有を生み出す経験が積めない事業のライフサイクルが短くなると、大企業はそのようなビジネスに参入してこない。長期にわたって数百億円稼ぐようなライフサイクルの長い仕事を優先する。よって大企業はライフサイクルの短い事業の提案をしても「NO」を出し続ける文化になる。大企業にいる人は新しい事業に携わるチャンスがない。
3. 一部の仕事をしている社員が抜けると、会社には何も残らない大企業では優秀な社員 は立場が上になると面倒な仕事や面倒な人間関係を背負いこむ。以前は会社に属することによって有用な人材と仕事ができた。つまり良い経験を積むことが出来た。しかしSNSの登場で簡単に有能な人材に出会い、一緒に仕事が出来るようになった。有能なビジネスパーソンはもはや会社にいる理由がなくなった。結果として、オペレーションしか出来ない手足のような社員だけが会社に残る。
さらに神田氏によると、
ライフサイクル末期の組織とは、アメリカ人が経営しようと、中国人が経営しようと、組織はどうしようもなく硬直化・官僚化する。...ライフサイクル末期で重要なことは、古き価値観を手放し、新しき価値観を想像すること。
と言っています。
なぜ組織は硬直化するのか
神田氏によると組織が硬直化する理由は次の三つの要素がぶつかり合うからだと言うことです。
1. 経営の効率性
ルールとプロセスが大好き。計画を立て予想外のことは起こさないようにする。
2. 顧客との親近感
顧客と接するのが大好き。個別の顧客ニーズを満たすことに喜びを感じる。
3. 商品/サービスの革新性
新商品、新プロジェクトなど驚きをもたらすのが大好き。
皆さんの会社でもこの三つがぶつかり合っているのは容易に想像できるでしょう?
皆さんの会社の強みは何でしょうか?
これまでの時流では「経営の効率性」が重視されてきましたが、いまは「顧客との親近感」に変わって来ていると神田氏は言っています。
私の会社ではまさに「経営の効率性」を重視するGoogleやAmazonには出来ないことをやっています。「顧客との親近感」を重視しています。
私も起業する前は「GoogleやAmazonと競合になってしまうかもしれない」と恐れていましたが、実際にそんなことはなく、GoogleやAmazonには提供できない価値をユニナレは提供していると実感出来るようになりました。
今後活躍出来る人材とは?
三つの価値観の人がお互いに頑張れば頑張るほど会社はうまく回らなくなります。みんながまじめに仕事をすればするほど衝突します。
「経営の効率性」を押し進めた結果、「イノベーション」と「ホスピタリティ」を持つ社員にとってどうにも会社にいるのが息苦しくなってしまったのです。
私もこれまでの会社で同様のことを感じたのでよく分かります。
神田氏の提案する解決策とは
社員は希望退職を受けて、どんどん起業。イノベーションを担当するシンクタンク、ホスピタリティを提供するサービス会社を立ち上げ、いままでお世話になった企業を側面からサポートする
ことです。
つまりこれからの時代、どんどん起業しなさい、ということです。しかも特に40代が起業することによって、2020〜2025年に起こるであろう新しい産業を30代以前の人につなぐ役割が出来ると、言っています。
私はそこまで大きなことは考えていませんでしたが、会社に対する行き詰まりから、起業という道を選びました。それは私個人の話というより時代の流れなんだということが再認識出来たのです。
そのため、後に続く人に少しでも多くの協力が出来れば良いと考えています。